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LongView NO.172



 ブレスレットとは、手首につけるアクセサリーのこと。これまでほとんど無縁の存在でしたが、先日、水晶を基本にヒスイやトラメなどいくつもの宝石をつけた特注品をいただきましたのでこのところ毎日左手首につけています。特別の石や金属が魔よけや幸運をもたらすという信仰は相当昔からあり、日本の縄文時代遺跡からも腕輪や首輪が発見されています。有名な勾玉(まがたま)は首に下げたようですが、いまでもこの形がパワーストーン、ヒーリングストーンとして販売されています。自分でつけてみると、実際に何か効果があると思っているわけではないですが、それなりに気持ちのいいものであることがわかります。この種のアクセサリーは、生身であり、病気や死がさけられず、なんらかの意味で幸福を望む気持ちを持っているという人間の本質の何かを象徴しているのかもしれません。


目次



『パンフルート入門』の中村先生とお会いしました

 8月10日に発行された『パンフルート演奏入門』の訳者・者中村純氏が、先日、来訪され、1時間ほどお話しする機会を得ました。民族楽器であるパンフルートはギリシャ時代から演奏され、世界でもっとも古い楽器のひとつといわれています。知らなかったのですが、パンフルートは日本の正倉院にも排簫(はいしょう)として伝わっており、このほど大修理が終わった宇治の平等院での本尊の背後で天女たちが吹いている楽器の中にもあるそうです。中村純氏は、広島大学情報メディア教育研究センター教授で原子物理学者ですが、留学先のスイスでJ・ムルク先生の教えを受けてから、この楽器の魅力にとりつかれ、帰国してから日本での普及に情熱を燃やしている方です。
 
 とはいえ、スイスなどでは数千人規模の愛好家がいるそうですが、日本ではせいぜい100人というニッチな分野だそうです。来日する演奏家もプロとしてのビジネスにはならないとのこと。こんななかで、ムルク先生の教則本を翻訳することは長い間の約束だったそうですが、やっと実現できたとお喜びでした。

 余談ですが、中村氏は、この著書を、音楽ソフトとInDesignを使用してほとんどご自身で製作、PDF化まで行って送っていただきました。当方で行ったのは、いくつかのアドバイスと最終的なまとめだけでした。最近はこういうふうに最終段階まで行う著者もいるのです。ただし、本当のことをいうと、それでもレイアウトや編集上の問題はあるので、この本の倍も当方でさらに手直しをしたかったのですが、同じソフトを使用していてもフォントの関係その他でうまくいきませんでした。難しいものです。

 →■[中村先生のPan Fluteのページ]
 →■[パンフルート演奏入門]




「自費出版商法」またまたマジック登場!

 前号でお知らせした「自費出版被害者の会」の松田まゆみさんとは、実はある会合でお会いしてたのですが、その後、Eメールで意見をやり取りしました。また、松田さんからは、自費出版ネットワークなど業者団体との情報交換やなんらかの協力関係をもちたいという呼びかけをいただいていましたので、その件もあり、9/20日に、自費出版ネットワークの運営委員会を開催して、皆さんの意見をきいてみました。その結果、なんらかの「ガイドライン」が必要ということでは意見が一致しましたので、これから試案を作成することにします。「被害者の会」との情報交換については、反対する人はいませんので、そのほかの協力関係についてはその都度、話し合っていきたいと考えています。

 また、偶然なのでしょうが、上の会合と前後して、独立行政法人国民生活センター発行の雑誌「たしかな目」より取材の申込がありました。この雑誌の12月号で、自費出版をとりあげるので、話を聞かせてくれということでした。その中には、トラブルをさけるためにという項目もありました。で、取材を受けてみると、やはり今回の企画自体は、今回の「被害者の会」や「訴訟」とは直接の関係はないようでした。ただし、センターにいくつかの事例が寄せられていることはあるようで、これは私のほうが知りたいくらいでした。今後確認します。

 ここからは、完全に私の個人的な感想ですが、どうも自費出版業界(仕事として、自費出版を行う側ということ)では、それほど意見は出ませんでした。直接関係することですから関心がないというのも変なのですが、もう少し複雑な、黒白をはっきりつけられないというような微妙な感じを持っているといったほうが正確でしょうか。
 とすると、どんな形であれ、特定の業者の利益誘導にならないという基本を明確にしたガイドラインが自費出版ネットワークのような業者団体的組織にできるかという思いもありますが、「まっとうなビジネス」という観点からとらえてみたいと思います。

 松田さんは私への連絡の中で「(被害者の会は)具体的な情報が寄せられ、明らかにおかしいと判断できる出版社を対象にしていく」つもりであり、「共同出版を掲げている出版社すべてがおかしいとは考えていません」述べています。ただ、共同出版も自費出版のひとつの形態なのであれば、そうした言い方じたいが誤解を誘発するのではないかとも思えます。はっきりいえば出版者側が一方的に主導権をもつような「共同出版」という形態はありえないのではないかということです。

 また、松田さんは、ご自身のブログ「鬼蜘蛛おばさんの疑問箱」(念のため:松田さんは、日本蜘蛛学会の会員で、いわば蜘蛛の研究家。松田さんが鬼蜘蛛というわけではありませんよ!)で、「私は、自費出版業界の方たちとお話しをして、業界の人たちと著者は、手品師と観客の関係に似ていると思いました。手品の種がわからない観客は、不思議なマジックに魅了されてしまいます。だからこそお金を払ってでも手品を見るのです。ところが、その手品のからくりを知っている手品師仲間は観客と同じ視点で手品に感動することはできません。」といううまい表現をされています。

 →■[鬼蜘蛛おばさんの疑問箱]


 9/29の朝日新聞朝刊に、またこのマジックが登場しています。「期間限定 出版モニター募集!」という文芸社の広告です。なんと無料で出版でき、副賞として10万円を4部門1名ずつ出すというもの。これで広告費を使っているのだからまさにマジックですが、この「種」は案外簡単にみやぶれのではないでしょうか。募集要項という非常に小さい文字を見てください。その最後のほうに「応募作品の中で出版をお勧めしたい優れた作品には、小社独自の出版(有料)をご提案させていただく場合もございます」とあります。もちろん、広告では太字になっていませんから、なかなか目にふれるようにはなっていません。