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LongView NO.173



今年の後半は思うように時間がとれない日々が続き、再開したwebマガジンもなかなか発行できないという状況になりました。特に目的があるわけでもありませんのであせる必要はまったくないわけですが、自からの気力が落ちはじめているのかなという感慨はあります。年の瀬や新年を迎えるという季節感はわれわれの周りから薄れてゆくばかりですが、久しぶりに『日本人の心の歴史』(唐木順三)をゆっくり読み直して見たいと思っています。 今年一年のご支援を感謝し。来年もお付き合いいただくようお願い申し上げます。


目次



友田さんの海外生活体験記は面白い

 
 6年ほど前『きままに中南米ひとり暮らし 60歳からの出発』という本を出した友田正彰さん(静岡市在住)から久しぶりに連絡がありました。この本に書いた通り、還暦を過ぎてから、中米のコスタリカから始まって南米各地そしてスペイン、ポルトガルとスペイン語を勉強しながらのひとり旅を続けている友田さんでしたが、2年ほど前に体調を崩して帰国、その後療養のかいあって再び旅に出かけることができるようになったということです。
 そして、その間に前回の記録以後の自らの旅の記録をまとめたので再び本にしたいということで、この12月には『スペイン・ポルトガルで 出会った人々─ 60代男 の 気ままなひとり旅─』を刊行しました。前回と同じオンデマンド版で今回はインターネット(amazon)での発売だけにしています。
 前作は主として初めての旅で、南米をめぐったときの記録でしたが、今回の記録は舞台がヨーロッパなので語り口にもやや余裕?があるように思えます。それでも、友田さん一流のわさびのきいた文明・文化批判、祖国日本への辛らつな提言などが随所に見られます。さらに、と思えば、途中で知り合った女性へのほのかな思いや長期滞在した一家との愉快な生活など現地に溶け込みながらひとり旅を続ける中年日本人・友田さんならではのエピソードもたくさん出てきます。
 続いて来月刊行準備中の『メキシコ・キューバで出会った人々』では、現地人ガイドとの奇妙な関係や信じられないホームススティ先から仮病を使って逃げ出したりといった話が満載です。日本人が個人で社会主義国キューバの市民と自由に話し合った記録としても貴重だと思います。そして、何より面白いです。
 友田さんは、みずから「同世代の方々が、リタイア後の人生を有意義に過ごす選択肢の一つとして、役立てて頂きたいと思います」と述べているように、多くのひとが、こうした自由な生活を送るための手引きのつもりでこうした記録をまとめているようです。

「時々日本に戻る、二〜三ヶ月単位の海外旅行だったが、初めの頃はつとめてその国の一般家庭にホームスティをして家族との交流も深めた。/三年目位から、日常的に必要なスペイン語会話が大体分かるようになると、「ひとり旅」の不安が消えて、自由に旅する面白さと、そこで出会う人々の「人間の探求」が魅力を増してきた。/ホテルやキップの手配が出来るようになり、自分のペースで気ままにゆっくり回れて、行く先々で多くの外国人と話ができるようになった。/外国人だけではない、あちらで出会った若い日本人たちと、一緒に勉強したり遊んだり、性別や年代を越えて話し合えたのも楽しかった。そこが外国の地だから違和感なくできたことだろう。」 (あとがきより)


 →■[『スペイン・ポルトガルで 出会った人々』]


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「平成20年」に想うこと

 2008年は、元号でいうと平成20年ということになります。私はもともと西暦論者で、どうして官公庁が公式資料で元号を使っているのか不思議に思うほうなのですが、20年という年月にはさすがに多少の感慨があります。ひとつは、平成もひとつの時代としての区切りを持つほどの期間になってしまったということ。これは同時に「昭和」が完全に一つ前の時代になったという意味でもあり、逆に「昭和時代」をひとつの価値観を共有した時代としてとらえるという見方も意味します。単なるレトロ趣味とばかりはいえないものがあると思います。

 もうひとつ、これは完全に個人的な事になりますが、私がサラリーマンをやめて自分の会社をつくってから20年たつことになるのです。40歳になる直前のことでした。これをあらためて感じさせてくれたのが平成20年という数字だったです。同時にもうひとつ気が付いた事があります。私は、それからの20年のうちでも仕事の内容を10年くらいで変えています。ということは、ほぼ10年おきに自分の興味の方向性をも変えてきていたことになります。20歳代最後に転職、30歳台最後に自分で仕事を始めたわけですが、10年間は当初の目標の業務に熱中、後半の10年間は別の分野に関心がうつり、次第に比重を高めて、これは今に至っています。

 論語の有名な言葉に「三十にして立つ。四十にして惑はず、五十にして天命を知る。六十にして耳に順ひ、七十にして心の欲する所に従ひて矩を踰えず」というのがあります。もちろん、これを意識したわけではまったくありませんし、ましてや、10年間でひとつの区切りをつけようというような考えがあったわけではないのですが、やはり20代、30代、40代、50代の区切りに近づくと自分の生活を変えようという、なんらかの想いがはたらいたのでしょうか。もうここまできたら残りの人生もそんな区切りをつけていきたいと半ば意固地に思うようにもなっています。

 そしてここから本題ですが、あと2年たつと私は60歳になります。何かことを始めるにもその1〜2年前から準備にかかりますから、そうすると現在すでにそれを考え始めていなければいけないわけで、これが目下の(私だけの切実な)問題になっています。ひとつはこれまでやり残して来たこと、あるいは想いながらもできなかったことに挑戦したいという気持ちがあります。次にやや大げさになりますが、人間の生きがいはやはり社会とのつながりですから、これをどうするかです。まったく新しいことを始めるというようなことはないと思いますが、別の形での社会参加、社会貢献がキーになることは間違いないでしょう。そして、この場合に、これまでの人生を通してわかってきたもうひとつの重要な要素があります。それは新しい組織作りであれ、新しい事業であれ、何をするにしても、自分がそれまでにしてきた苦労や培った技術や知識そして人間関係(人脈)は決して無駄にはならず、またそこを出発点にするしかないということです。

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