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LongView NO.174




目次



柏崎で決めること

 ただでさえ寒いこの時期に、今週末は新潟県・柏崎にいきます。柏崎は風がとても強くて、そのため雪も積もらないというほどの土地ですが、いままで4〜5回行っています。この時期の新幹線はスキー客で満員のようですが、当方の今回の目的は自費出版ネットワークの会合です。とはいえ、タイミングもあり参加者は10名に達しませんでした。
 まるで遊びにいくようですが(まぁ、その要素がないとはいいませんが)、重要なこととしては、ここ数ヶ月論議してきた自費出版ネットワークの「自費出版契約ガイドライン」をここで決定してしまおうということがあります。このガイドラインについては、昨年9月の本誌171号などから考えを書いてきたものですが、役員会などでの数度のやりとりを経て、最終案がやっとまとまってきました。


 まだ、まとまっていないわけですから当然、理事以外の会員にはガイドラインは示されていません。ただし、というか、逆にそのためになのでしょうが、いくつかの新聞紙上では、自費出版ネットワークがこのガイドラインを作成していることが報道されています。つまり、それだけ取材を受けることが多くなってきたのですが、これは先の171号にも書いた新風舎に対する訴訟からはじまって、自費出版の報道姿勢が、これまでののどかな無邪気な姿勢から“危険性をもった商法”のひとつとしての側面に姿勢が移ったことによるものといえるかもしれません。  昨年末は、そうした観点からの取材が多く、またこれも同様の方向なのかもしれませんが国民生活センターが発行する雑誌が「自費出版」をとりあげ(12月号)、基本的には自費出版を行う際の注意点としながらも「トラブルにあわないために」という項目や同センターに寄せられた「トラブル事例」を紹介したことにもあらわれています。さらに、今年になっての新風舎の破産です。関係者にとっても早すぎると感じられるほどの事件でしたが、それに関連した形で、自費出版業界の見解がもとめられ、ガイドラインなどの対応策もニュース性が高まったということかもしれません。


 国民生活センターは今年になって、自らがスポンサーの広報テレビ番組でも自費出版をとありあげています。ただ、テーマは「褒められても簡単に契約しないように」ということです。各新聞の報道記事もトラブルとその余波を取材することに主眼が置かれています。これはよいこことなのかどうかわかりませんが、自費出版がひとつの文化として定着していく過程でのきしみなのかもしれません。


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朝霞と小金井の水とみどり

 
 ただでさえ寒いこの時期に、川や林の中の水辺を見て回っています。先週の土曜日は地元・埼玉県朝霞市内の古寺や博物館、いくつかの斜面林とそのなかに点在する湧水を探して歩き回りました。26日は東京都・小金井市にある湧水ということで、庭園や神社さらに野川とその周辺の公園内に点在する湧水をもとめてのウォーキングを半日行いました。  朝霞市内の調査は、最近参加している地域の環境団体の活動の一環で、市内の湧水・水環境を調べてみよいということです。武藏野台地から荒川低地に至り、いくつかの河川が流れている朝霞市は古くから豊富な湧水に恵まれていたようですから、過去においてもいくつの調査が行われていて、10数年前から調べられた記録が残っています。それをもとに、次世代に残すべき水環境の現状を調べているというと、すごいようですが、実際には2、3名で林の中をうろうろしているというのが実態です()。特に私はまったくの素人。何もできず教えてもらったり、発見したりすることばかりです。それでもわかることは、近年のこの地域ので土地環境の変化の凄まじさです。かつて存在して記録に残る多くの貴重な湧水が姿を消しているようです。もちろん、それ以上に林や農地が失われています。こうした中で、残された湧水を中心にした水環境を自然保護再生のシンボルとして広く知ってもらうために「ホタルの再生を行うプロジェクト」の準備を進め、湧水調査もそのための候補地探しという観点から進めています。「ホタルの再生」については注目を集めやすい事業ということで多くの地域でも行われています。朝霞市内でも過去にいくつかの計画があったようですがうまくいかなかったと聞いています。ともすれば「ホタルの養殖事業」になりかねませんので、あくまで最終目標は良質な自然環境の再生維持ということでいきたいと考えています。

 
 関連する、小金井市での見学会については、これも環境団体である新河岸川流域川づくり連絡会という団体が実施した川作り見学会で、東京都小金井市での先進的な雨水浸透事業と野川流域の豊富な湧水や自然再生事業(これは東京都)を中心にしたものです。小金井市の雨水浸透事業市については、市の担当者も出席して、説明をうかがい、また市庁舎の前にある雨水浸透枡(多孔型という小金井市が独自に作成したもの)を使っての実験もみせていただきました。さらに、関連する条例や環境基本計画の資料もいただき、不勉強な当方としては大変参考になりました。
 湧水と野川については、ウォーキングで二つの湧水を含む公園と神社さらに武藏野公園、野川公園を歩きまわり、点在する湧水と調整池を使っての自然再生事業の様子()を見学しました。1月末という、乾燥した時期でしたが、湧水は豊かな水が流れていました。有名な国分寺崖線(ハケ)の湧水をちゃんと見るのはこれがはじめて。近くにいながらこんなもので、本当に何も知らない私です。

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